アルコール依存症からの回復

アルコール依存症からの回復のステップ

ビッグブック~私たちの座右の銘~

私たちには
3つの座右の銘がある。


「第一のことは第一に」


「己は己、人は人」


「気楽にゆっくりやろう」



We have three little mottoes which are apropos.


“FIRST THINGS FIRST”


“LIVE AND LET LIVE”


“EASY DOES IT”



「第一のことは第一に」


盛んに飲んでいた頃は
生活はめちゃくちゃで
その混乱で気持ちはいつもぐらつき
絶望的になっていた。


自分の生活のなかで
ずっと手をつけてこなかった事の一切を
すぐにでも全部片づけなければならないという
切羽詰まった気持ちが
私たちのなかにはある。


いっぺんにその全ての事を
片づけられないのは明らかである。


私たちには考えるべき事がたくさんあるし
すべきこともたくさんある。


しかし
一度に
考えたりやるべき事は一つしかできない。
大事な事から
考えたりやらなければならない。


物事にはやるべき順序がある。
第一にしなければならない事は何か?


第一にことは第一に
第二のことは第二に
第三のことは第三に
・・・・・・・・


第一のことをやったら
第二の事をしなければならない。
第一のことをやったら
第二のことはやらなくてもよいという事ではない。


たとえどんな問題があったにせよ
私たちは
飲めない事を忘れてはならない。
私たちにとっては
飲まない事が
いつでも
どこでも
どんな状況でも
最優先課題である。


飲まない事ができたのであれば
第二のことが第一になる。


そう
いつでも
第一のことは第一なのである。



「己は己、人は人」


私たちの飲酒歴をもう一度振り返ってみれば
飲酒の問題は
そのほとんどが対人関係で起こった事が分る。


AAのなかであれ
どこであれ
世の中にはとても同意できない事を言う人や
非常に不快な事をする人がいるものである。
考えが異なる人と共に生きる事を学ぶのは
私たちが
快適に生きてゆくために非常に重要な事である。
そんな時
自分自身に言い聞かせる。


「己は己、人は人」なんだから


とても役に立つ。


AAでは
どうやったら他人の行動に寛大になれるか を
学ぶ事が強調されている。
その行動がどれほど不快で
目障りであっても
飲むには値しない。
私たち自身の回復の方がはるかに重大である。


他人の事を
特に神経を逆なでしてくるような人の事を
理解する努力を最大限にすれば
必ず報われる結果になる事を知った。
私たちの回復にとっては
理解される事よりも
理解する事の方がはるかに大事である。


時間がたってくると
腹の立つ人からさっと身をかわす事が
簡単にできるようになる。
以前は
ふがいなく侮辱を受けるがままであったり
自分のやり方を通すために
他人を正そうとしていた。


私たちは
飲まない生き方のなかで
新しいテクニックを学んだ。
それは
深い恨みは抱かないようにする事である。
恨みをもつと
その人に振り回されて生きる事になる。
時にはそれが
飲む原因にまで及ぶ事がある。


1. 人にはそれぞれの生き方がある


自分は自分、他人は他人


2. お互いに干渉しない


自分も好きなように生き
相手にも干渉しないで好きなようにさせる 


「自分も生き、他人も生かせ」


自分自身の人生を精一杯
充分に楽しむ事ができるようになって初めて
他の人がその人なりの生き方をする事も
大きな包容力で受け容れる事ができる。


自分の人生が面白くて
充実していれば
他人のやり方を気に病んだり
他人の欠点が目についたりする事もない。


「ゲシュタルトの祈り」


私は私のために生きる。
あなたはあなたのために生きる。
私は何もあなたの期待に沿うために
この世に生きているわけじゃない。
そして
あなたも私の期待に沿うために
この世にいるわけじゃない。
私は私。
あなたはあなた。
でも
偶然が私たちを出会わせるなら
それは素敵なことだ。
たとえ出会えなくても
それもまた同じように素晴らしいことだ。


I do my thing, and you do your thing.
I am not in this world to live up to your expectations,
And you are not in this world to live up to mine.
You are you, and I am I,
and if by the chance we find each other,
it’s beautiful. If not, it can’t be helped.


何かの犠牲になることなく自分を大切にすること
他人を尊重すること
健全な人間関係はその上に成り立つという事を
語ってくれていると思います。
その線引きがうまくできずに苦しんでいる人にとって
この詩は救いになるはずです。
この詩に出会って生きる事が
楽になったという人も多いようです。


たとえ出会えなくても
それもまた同じように素晴らしいことだ
という言葉には
あるがままに全てを受け容れる
ゲシュタルトの精神が集約されています。



「気楽にゆっくりやろう」


“EASY DOES IT”には、下記のような意味があります。


あわてずゆっくりやろう
力を抜いて気楽にやろう
そんなに怒らないで、 かっかするなよ


私たちは
とかくやりすぎてしまい
不注意に急ぎ
ペースを邪魔されると
我慢ならなくなる傾向が大いにある。


私たちは
リラックスする方法
自分に合った健康的なペースの作り方
目的に向かう道で見つけた
小さな喜びやわずかな収穫を楽しむ方法
言いかえれば
目的地に着くまで
イライラすごすよりも
そこに至るまでの道のりを
どう楽しむかという事を学ぶ必要がある事を
分かち合っている。


これは本当に自分がやらなければならない事か?
こんなに急ぐ必要があるのだろうか?
実際にどのくらい重要な事か?


気楽にゆっくりやるのは
今日の理想的な歩みなのだという事を
忘れずにいよう。



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