アルコール依存症からの回復

アルコール依存症からの回復のステップ

ビッグブック~怖れと欠点を手放す~

私たちに欠点があるからといって
神に罰せられるのではない
私たちは
自分の性格上の欠点によって罰せられるのだ


私たちの欠点は
主に自己中心的な怖れから生じている。
その怖れは
もっているものを失うことに対する怖れであり
あるいは
欲しいものが手に入らないことに対する怖れである。
つまり
怖れは
永遠に満足できない欲求から生じてくる。
だから
そもそもの欲求を軽減して
怖れを軽くしない限り
心の平安は訪れてこない。


怖れ(fear) とは
F(frustration) 欲求不満
E(ego) エゴ
A(anxiety) 不安
R(resentment) 恨み
FEARの省略形だとも言われている。


怖れがもつさまざまな面が
性格上の欠点となって表れているともいえる。
私たちの多くが怖れを否定したり
他のものにすりかえたりする。
その結果
怖れは人生のなかでさまざまな欠点に形を変える。


恨み、怒り、嫉妬、妬み、自己憐憫
高慢、自惚れ、誤ったプライド
自己正当化、自己欺瞞
利己的、身勝手、配慮の欠如
不正直、怠惰、暴走、現実逃避


ステップ6・7によって
自分の可能性を追求していくために
怖れ、欠点を手放していきます。
何かを獲得するプログラムではありません。
自分を覆い隠していた欠点を取り除き
本当の自分自身を見つけ出し
怖れ、欠点を手放していくプログラムなのです。



ステップ6
怖れとこうした性格上の「欠点全部」を
神に取り除いてもらう準備がすべて整った


ステップ5が終わったら
ステップ1からステップ5を
注意深く振り返ってみる。


1.私たちはアルコールに対して無力であり
  生きていく事が
  どうにもならなくなっていた事を認めた


2.自分を超えた偉大な力が
  私たちを正気に戻してくれると
  信じるようになった


3.私たちの意志と生き方を
  自分なりに理解した
  神の配慮にゆだねる決心をした


4.怖れずに
  徹底して
  自分自身の生き方の棚卸しを行い
  負債と資産を表にした


5.神に対し
  自分自身に対し
  そしてもう一人の人に対して
  自分の過ちの本質をありのままに認めた


自分が見落としたものはないだろうか?


アルコールに対して無力である事を認めているか?


生きていく事が
どうにもならなくなっていた事を認めているか?


自分を超えた偉大な力が
正気に戻してくれると
信じているか?


意志と生き方を
自分なりに理解した
神の配慮にゆだねる決心をしているか?


怖れずに
徹底して
自分自身の生き方の棚卸しを行い
負債と資産を表にしたか?


神に対し
自分自身に対し
そしてもう一人の人に対して
自分の過ちの本質をありのままに認めたか?


自分の欠点や短所を自覚し
自分自身を
ハイヤー・パワーにゆだねているか?



ステップ7
私たちの怖れと短所を取り除いてくださいと
「謙虚に」神に助けを求めた


私はいま
私のすべてを
良いところも
悪いところも
あなたにおまかせする
気持ちになっています。


あなたと
そして仲間たちの
役に立ちたいと願う私にとって
行く手のじゃまになる
性格上の欠点を
どうか取り除いてください。


私がどこにいるときも
あなたの意志のままに行っていく
強さを私に与えてください。



私たちにとって飲むことは
問題の一つの症候にすぎなかった。
だから私たちはその原因と
そのためにいまどうなっているのか?
というところまで掘り下げなくては
どうしようもなかったのだ。


こうした性格上の「欠点全部」を
神に取り除いてもらう準備が「すべて整った」


ステップ6のこうした言い方は
AA流の表現である。
それは
生涯の仕事に向けて一歩を踏み出すための
最善の態度を表している。


神の意志を知り
それに従いたいという気持ちこそ
あらゆる謙虚さの基礎である。


ステップは私たちに
かつて経験したことのないオアシスへと
向かうよう求めています。
そのオアシスにおいて私たちは
怖れ、怒り、恨み、自己憐憫を手放し
落ち着き、勇気、忍耐、寛容、許し
感謝に満ちた人生を送るようになります。


オアシスへ向かうためには
今までの古い
自分の考え、言葉づかい、行動のパターンを
手放すための意欲が必要なのです。


性格上の欠点を手放そうと努力するためには?


自分の欠点を
他人、状況、環境に責任転嫁しない


身勝手な自己正当化をしない


自分で自分の問題を大きくしていることを
否認しない


ビッグブックのステップの約束は
ステップ6の準備をすべて整えるため
ステップ1・2・3・4・5を振り返り
ステップ7で
回復を妨げている
今までの古い
行動、考え、感情のパターンへの
頑固で愚かなしがみつきを手放すため
私たちの怖れと短所を取り除いてくださいと
謙虚に神に助けを求め
ステップ8・9の埋め合わせを
真剣に取り組んだ結果として実現するる。


ビッグブックのステップの約束は
ステップ1からステップ9の実践の結果である。
ステップ1からステップ9は人生の指針であり
取り組みさえすれば必ず新しい生き方を
手に入れることができる。


この工程を労を惜しまず
念入りにやっていると
半分も終わらないうちに
あなたはビックリする事になる。
新しい自由
新しい幸福を
知るようになっているのだ。
過去を悔やむ事もなければ
それにふたをしようとも思わない。
心の落ち着きという言葉が
わかるようになり
やがて平和を知る。
私たちがどんなに落ちぶれていたにしても
自分の経験がどれほど人の役に立つかが
わかるようになる。
自分は役立たずだという
自己憐憫の感情が消え失せる。
利己的な事に関心がなくなり
仲間の事の方に関心がいくようになる。
身勝手さは消えてしまう。
私たちの
人生に対する態度と展望がまるっきり変わる。
人間に対する恐怖症や
経済的不安もなくなる。
かつては私たちを困らせた状況にも
直観的にどう対応したらいいのかが分かるようになる。
自分ではできなかった事を
神がやってくださっている真実に
私たちは突如として気づくようになるのだ。


ステップの回復の原理は
性格上の欠点を正反対にしたものなのです。
回復において
私たちは自分の性格上の欠点の
正反対のものは何かを把握し
それらを新しい原理に変える努力をします。


恨みを寛容、許しに
怒りを忍耐に
怖れを落ち着き、勇気に
嫉妬を自信、受容に
妬みを感謝に
自己憐憫を感謝に
自己非難を自己評価に
高慢を謙虚に
​自惚れを慎みに
誤ったプライドを素直に
自己正当化を謙虚に
自己欺瞞を自己受容に
利己的を利他的に
身勝手を協調に
配慮の欠如を思いやりに
不正直を正直に
怠惰を行動に


「何という提案なんだ!
とてもじゃないがやり通せるものではない!」と
私たちの多くが叫んだ。


でもがっかりしないでほしい。
私たちの誰一人として
これらの原理を
完全に実行できたという仲間はいないのだ。


私たちは聖人ではない。
大切なのは
私たちが
霊的な路線に沿って
成長したいと願っている事である。


ここに掲げた原理は成長への道標だ。


私たちは霊的な完成をではなく
霊的な成長を求めているのである。


私たちは
知識を行動へ
行動を実際の生き方へ
と発展させなければならない。


ステップ6を指して
こう言った聖職者がいる。


「これは大人と子供を分けるステップです」


「子供と大人」の違いは
子供:自分で決めた目的のために努力する
大人:神の与えた完全な目的のために努力する


ステップ6の
「準備をすべて整える」とは
怖れと性格上の欠点全部を取り除くという
確固とした意欲をもつことである。
それは
決してたやすいことではない。
懸命な努力と自覚が必要になる。


ステップ6で求められているのは
怖れと性格上の欠点全部を
神に取り除いてもらう気持ちになる準備を整えること
それだけである。
すぐに変わることまでは要求していない。


私たちが
どれだけ正直にステップに取り組むかは
私たちが
どれだけ強く積極的な変化を求めているかに比例する。


自分なりに理解する神との
親愛に満ちた触れ合いを保ちながら
欠点を取り除くために自分ができることを進めていく。


ステップ5で明らかになった「欠点全部」を
神に取り除いてもらう準備をすべて整えるためには
欠点全部を取り除くことができるという確信がなくても
まずは
自分は「変われると信じてみようという気はあるか」
と問いかけることから始めなくてはならない。


信じる
あるいは信じてみようという気があると答えた人の
成長の旅は始まっていると断言できる。


ステップ6でいちばん難しいのは
人間が本来もっている本能のコントロールです。
私たちは人間であり
誤りを犯す存在だということを
受け容れなければなりません。
誤りを犯す自分というものを
けなしたり憐れんだりするのではなく
あるがままの自分を受け容れるのです。


人から良く思われたいがために
現在の自分に問題がないかのように
表向きだけ理想的な振る舞いを演じたり
霊的に目覚めたかのような演技をしていないでしょうか?
そういった態度は自己中心的なごまかしであり
誤ったプライドに基づくものだと言えるでしょう。


神に怖れと欠点を取り除いてもらうためには
まず
自分の力だけでは自分を変えられないことを
理解しなければなりません。
わたしたちは
「自分を超えた偉大な力」の手助けがなければ
「よりよい目的」を保ち続ける事ができないのです。


必要な力がないこと
それが問題だった。
私たちは
生きていくための力を
見つけ出さなければならなかった。
それは
「自分を超えた偉大な力」でなくてはならないことが
はっきりしている。



ポテトチップスをほおばりながら
ポテトチップスへの欲求を取り除いてくださいと
神に求めたところで効果はありません。
アルコールを飲みながら
神がアルコホリズムを
取り除いてくれることを望んでもだめです。
同じように
怖れと性格上の欠点を使い続けながら
同時に
怖れと欠点を取り除いてほしいと願ってもだめなのです。


ミーティングで感動的な仲間の経験に
共感してうなずいたからといって
仲間がその気づきに至るために
実際に努力して行動したことを
同じようにやったことにはならない。


怖れと性格上の欠点を手放すためには
私たちは
継続的に行動していく意欲をもたなければならない。


変わろうという気持ちがあるかどうかを
自分自身に毎日問い続けると
変わろうとする気持ちが
だんだん強くなってくるのです。


さらに
自分のできることは
自分でやらなければなりません。


ジャガイモが豊作になるよう祈りなさい。
しかし
実際にクワで畑を耕すのはあなたですよ。



回復とは
アルコールをやめる以上のものであることを
理解してほしい。
回復とはアルコールをやめた後で
心が満たされ
役に立つ人間になり
自由に生き
そして
自分の可能性を追求していくことである。


私たちは
自分自身のソブラエティや
あるいは
ミーティングに出かけたりして
他の仲間が飲まないで生きるように
手助けすることに一生懸命なあまり
その先のより高い段階を目指す「大きな視野」を
見失ってはいないだろうか?


ステップ3
私たちの意志と生き方を
自分なりに理解した
神の配慮にゆだねる「決心」をした


決心するステップ3は
決定的に重要な役割を果たしている。
だが
それだけでは永続的に新しい生き方を
続けていく事はできない。


自分のなかにある
生きていくうえで
障害となっていたものに直面し
それを捨てるための絶え間ない努力をし
続けていかなければならない。


私たちにとって
飲むことは問題の一つの症候にすぎなかった。


怖れと欠点を手放すために
準備をすべて整えるための心身の大掃除


言葉づかい
自分の言葉づかいを点検し
それらが人生と
準備をすべて整えるための
霊的な姿勢に沿っているかどうかを見直してみよう。


嗜癖的な習慣
嗜癖的行動パターンについて
綿密に点検する必要がある。


喫煙、ギャンブル、セックス、食べもの
仕事、運動、インターネット、ゲーム


どのような嗜癖であっても
嗜癖があると
感情に蓋をし
自分に対しても
他人に対しても
関わり方を変えてしまう。
だから私たちは
これらの嗜癖に適切に対処しなければならない。



ここで
世に広く知られた「七つの罪源」といわれる
人間の大きな弱点を取り上げてみよう。


高慢:自分が人よりも偉い、優れていると考える


嫉妬:相手の恵まれた環境や能力を羨ましくて悔しく思う


暴食:必要以上の飲食


怠惰:すべきことをなまける


貪欲:物質的な豊かさや利得に対する欲が非常に深い


好色:身体的快楽への過剰な欲求
私たちの性的能力は神から与えられたものであり
従って良いものであること。
軽くあしらったり、自分中心に利用したり
また
軽蔑や憎悪すべきものではない。


怒り:憤怒、激情
怒り(anger)は、危険(danger)と一字しか違わない


一人ひとりが「正しさ」についての考え方をもっている。
他人は間違っていて自分だけが正しいという怒り
「独りよがりの怒り」を収縮させなければならない。
自分が「正しい」からという名目で
他人を傷つけてはならない。


怒りとは
相手に投げつけようとして
燃える石炭を拾い上げるようなものだ。
結局
やけどをしてしまうのは
自分自身なのだ。


私たちの弱点である「七つの罪源」は
私たちに怖れをもたらす。
その怖れは次に多くの性格上の欠点を生み出す。
本能が満たされないことへの理由なき怖れが
私たちを駆り立て
他人の持ち物を欲しがり
セックスと権力を渇望する。
本能的欲求が脅かされると怒り
他人の望みだけが叶っているように
見える時には嫉妬する。


ただし
「七つの罪源」といわれる
高慢、嫉妬、暴食、怠惰、貪欲、好色、怒り
人間の大きな弱点に基づく行動は
今後一切なくなるということはない。
そうではなく
弱点から行動してしまった時
それにちゃんと気づけるようになるということだ。
気づくことにより怖れを
できるだけ小さくすることができる。
怖れをできるだけ小さく保つことが
感情のソブラエティの本質なのだと思う。


怖れは人生につきものである。
だから
怖れと共に成長する人は
怖れと向き合って前進する人だともいえる。
すなわち
私たちは抱え込んだ怖れに気づき
怖れと向き合い
怖れを手放していかなければならないのである。



ステップ7
私たちの怖れと短所を取り除いてくださいと
「謙虚に」神に助けを求めた


謙虚とは
高慢でなく
自分の欠点や短所を自覚していること。
おごり高ぶらないこと。
自己主張をしないこと。
さらに
自分を過大評価もせず
過小評価もしないで
あるがままの自分を
受け容れるということである。


私たちは謙虚さに欠けていた。
物質的満足が人生の目的ではなく
人格形成を第一にすべきであることを
知るだけの洞察が私たちにはなかった。
物質的な欲望を満たすことを
人間として生きるための手段としてではなく
人生の最終目的とみなしていたのだ。


霊的に成長するにつれ
本能に対する私たちの昔の態度を
抜本的に修正しなければならないことに
気づいてくる。
自分本位な感情的な安定や富に対する欲望
名声や権力に対する欲望
恋愛に対する欲望
家庭が物質的に充実するようにという欲望
これらの欲望をすべて調整し
方向を変えてゆかなければならない。
私たちは
本能を満たすことが人生の唯一の目的や
目標でないことを学んだ。


アルコホリズムは
病気の単なる症状でしかないこと
こうした根っこにある病気は
表に現れて目立つ嗜癖行動よりもはるかに巧妙で
隠れて進行している。
だからこそ
派手な嗜癖行動の影に隠れて進行している
病気そのものを洞察する必要があり
回復の途についた人は
強迫的な嗜癖行動を警戒するだけでなく
嗜癖的な振る舞いや嗜癖物質によって変わる気分や
感情の動向に注意し
感情のソブラエティを保つ努力をしなければならない。


回復の途上で
私たちは
成長を目指し
自分が陥った過去の古い習慣を変えて
取り除き
そして
「自分を超えた偉大な力」を
人生に取り込めるように気を配らなければならない。


そして
自分がどんな感情から行動しているのかを
考えるように努力しなければならない。
愛によって行動しているのだろうか?
怖れによって行動しているのだろうか?
つまり、私たちは
いつも自分の行動の動機を探り
その行動のもとになっている
自分の感情を点検し確認しなければならない。


嗜癖に溺れていた時の
私たちは
いわれのない怖れと迫りくる破局の感覚に
つきまとわれていた。
それと同じ感情が
もっと巧妙な形で
今も人生のなかで働いているかもしれない。


怖れを手放すためには
落ち着きと勇気が必要である。
自分の力で落ち着きと勇気がもてない場合
どうすればいいのか?
自分に落ち着きと勇気がないことを認め
「自分を超えた偉大な力」を信じ
「自分を超えた偉大な力」に謙虚に助けを求める
これがステップ7の提案である。


ステップ7
私たちの怖れと短所を取り除いてくださいと
謙虚に神に助けを求めた


求めよ、さらば与えられん
叩けよ、さらば開かれん


どのように助けを求めるのか?
その答えが平安の祈りであるように思う。


神さま
私にお与えください
怖れと欠点を手放すために
自分に変えられないものを
受け容れる落ち着きを
変えられるものは
変えてゆく勇気を
そして
二つのものを見分ける賢さを


祈りは
金銭や物質
権力といった自分の利益を求めるリクエストではない。
祈りとは
人の役に立つために
私たちがより良い存在になっていくことを
ハイヤー・パワーに願うことである。


その際
謙虚な心と姿勢が重要であることはいうまでもない。
もし
自分の人生の見直しを怠け
どのような生き方をしているのかを
細部にわたって検討しなければ
自分には
いったいどこで
どんな助けが必要なのか?
気づくことはできないだろう。


私たちがしなければならないことは
自分に必要な助けが何か?
ということに気づくことであり
意識的に助けを求めることである。
何もしないでいて
ハイヤー・パワーが気づいて
配慮してくれるのではない。


私たちは
ハイヤー・パワーに導きを求め、ゆだねる。
しかし
自分の行動に責任をもって生きるということに
存分に留意しなければならない。


祈りを通して願い求めることは
私たちの意欲を「行動に移す」
シンプルな方法だといえるだろう。


私たちは
変わろうという意欲をもっているだろうか?
それとも
古いやり方や生き方に
しがみつこうとしているのではないか?


「自分を超えた偉大な力」が
正気に戻してくれると
信じているか?


自分の意志と生き方を
自分なりに理解した神の配慮に
謙虚にゆだねる決心をしているか?


私たちの欠点は
主に自己中心的な怖れから生じていることを
理解しているか?


怖れと欠点を手放すための意欲はあるか?


怖れと欠点を手放すために行動したか?



AAの奇跡を起こすために
やらなければならないことがあります。


飲酒に戻らないこと。


自分なりに理解する神におまかせすること。


古い考えをすべて手放すこと。



鷹の選択 〜変化と成長を求める〜



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