アルコール依存症からの回復

アルコール依存症からの回復のステップ

ビッグブック~妻たちへ~

ビルはアン(ボブの妻)に
『妻たちへ』の章を執筆するように提案している。


私の考えでは
アンは妻の姿を描写した章を書くべきだ
とビルは提案したのだが


アンがそれを書かなかったのは
ひとえに彼女の謙虚さの
せいだったのかもしれない。


ロイスもその章を書く事はなかった。
彼女は自分が書こうかと申し出たが
ビルから
「いや、だめだ。
本にまとめるには文体の統一が必要だ」と
断られたのである。


後にロイスは述べている。
「そのことで、ずっと私は傷ついていました。
今でも
どうしてビルは私に頼まなかったのか?
その理由が分かりません。
もっとも
私からは二度と蒸し返すことは
しませんでしたが・・・」と。


結局
ビルがその章を自分で書き
『妻たちへ』というタイトルで呼ばれるようになった。


アルコホーリクのまわりでは
いつも誰かが巻き込まれている。
いつまた飲み始めるのだろうかと
恐れおののく妻。
息子が荒れすさんでいくのを
見なければならない父親や母親。


『妻たちへ』では
AAメンバーの妻たちから
かなり度を超した飲み方をする男の妻に
語りかけてもらおう。


アルコホーリククス・アノニマスの
メンバーの妻である私たちは
普通の人には分からない事が分ると思う。
ここでは
私たちが犯した過ちを分析してみたい。


私たちは長い事
傷ついたプライド
欲求不満
自己れんびん
誤解
怖れなどと一緒に暮らしてきた。


私たちはいつも感傷的な同情と
とげのある恨みの間で揺れ動いていた。
愛する人が
いつか昔のようになってくれる日が来るのを
ひたすら待ちながら
二つの感情の間で振り回されてきた。


自分の夫がビシッと頭を持ち上げ
他の男たちのようになってくれればという
私たちの思いと希望が
結果としてはあらゆる苦しい状況を生んだ。


自分のプライドと夫の立場を守るために
数え切れないほどの嘘もついた。
ヒステリックになった。
恐怖にかられていて
同情が欲しかった。


友人たちは
夫とは踏ん切りをつけるように勧めた。
私たちはこれが最後だと何度思ったことか。
でもしばらくすると
もしかしたら
いつかは良くなるかもしれないという希望が生まれ
その希望だけを頼りに元のさやに収まっていた。


子どもの父親に対する愛情を
つなぎとめようと苦労した。
幼い子には
お父さんはいま病気なのだと言うしかなかった。
それは
自分で気づいている以上に
かなり真実に近かった。


こうした状況の中で
私たちは当然のように間違ったことをした。
なかには
アルコホリズムの無知から起こったものもある。
アルコホリズムという
病気の人間を相手にしているらしいことを
うすうす感じ取っていたこともあるが。


アルコホリズムという病気の性質を
十分に知っていたなら
私たちは
違った対応をしていた事だろう。


妻と子どもを愛している男が
どうしてあんなふうに思慮を失い
非常で
残忍であり得るのだろう。
この人には
愛のかけらもないのかと
私たちは思ったものだ。


あなたの夫が何をし
何を言っても
彼を責めないように心がけよう。
彼は
ただひどい病気にかかって
無分別な人間になってしまった人間にすぎないのだ。
彼が
あなたに怒りをぶつけてきた時には
彼は
重病人なのだと自分に言い聞かせよう。


彼らのやり方は気に入らず
私たちに大いに反感を抱かせたが
彼らは病んでいるのだ。
病気の友に喜んで示すような包容力
思いやり
辛抱強さを与えてください と
私たちは神に願った。


この人は病んでいるのだ。
どうやったらこの人の助けになれるだろうか?
神さま
私を怒りから救い出してください。
あなたの意志が行われますように と祈った。


大酒飲みの夫の場合


成功の第一の原則は
決して腹を立てない事だ。
辛抱と落ち着きのある気持ちが何よりも大切だ。


飲酒に関して
あれこれすべきだと
決して彼に言わないようにする。


夫が飲んでいても
あなたは自分と子供たちとの関係や
友だちとの友情は壊さないと
断固として心に決める事である。


あなたは自分の関心を
夫を変える事だけに
集中させるようなことはしない。
どんなにがんばっても
それは不可能な事なのだから・・・


そうやって
夫のアルコールの問題について
わだかまりなく話し合える土壌が
できるかもしれないのだ。
夫の口からその話題を持ち出すようにもっていこう。
話し合う時は
決して批判的になってはならない。
あなたは
彼に対して非難しようとしているのではなく
助けになろうとしていることを
彼に分かってもらうようにしよう。


夫には
よけいなことかもしれないけれども
ずっと夫の事を心配しているのだと伝えよう。


あなたには
ケチをつけるつもりはないこと
ただもっと
健康に注意してほしいだけなのだと伝える。


酒に対するコントロールを失っている夫の場合


酷い飲み方をした後で
彼に
本気でやめる気はないかどうか聞いてみる。
あなたのためとか
誰のためにやめてくれという頼み方をしてはいけない。
ただやめる気があるかどうか
聞いてみる。


彼が
無関心で
自分はまだアルコホーリクだとは思っていないのなら
そっとしておこう。


何度もつまずいて
もう何とかしなくてはと
本人が思って行動を起こすまで、待つ。
あなたが
急かせば急かすほど
彼の回復は遅れるだろう。


孤独になり
家庭はほぼ崩壊し
仕事もこなせなくなっている夫の場合


彼にしつこくせまってはいけない。
彼自身に
プログラムにつながるのかどうか?
判断してもらう。
また
何回かむちゃ飲みを繰り返しても
穏やかに見守ろう。


死の門口に立っている
絶望的なアルコホーリクの夫の場合


彼に
やめる気があるようだと思えるなら
私たちのプログラムを勧める。


夫が酒びたりだと
他人にどう見られているのだろうかと
友だちに会う事さえとてもおっくうになる。
ますます
自分の内に引きこもるようになる。


けれども
まわりの人たちに
夫が病気である事を丁寧に説明できれば
そこには新しい雰囲気が生まれるはずだ。


あなたはもう
人目を気にして悩む必要もなければ
夫の人格に欠陥があるかのように
あなたが釈明にまわらなければならないなどと
考える必要もない。


あなたに新しい勇気
優しさが備わり
無駄な気遣いがなくなると
社会的にも
あなたには多くの驚くような奇跡が
もたらされるだろう。


子どもたちが飲んでいる父親と
口論していても
子どもを父親から離して保護する必要がない限り
とっちの味方にもつかないほうがよい。


夫が酔っぱらっていると
あなたは夫の会社や友人たちに
夫は本当は病気なのだと
弁明せずにはいられない気持ちになるだろう。
けれども
あなたは
なるたけその事には触れず
できる限り本人の口から説明させた方が良い。
夫をかばいたい一心のあまり
うそをつく事になってはならない。


本人たちと同じように
妻である私たちもまた
苦しんでいたのは
高慢や自己れんびん
虚栄
そして自分勝手な人間がもつ性格のせいだった。
そして
利己心も不正直さも乗り越えていなかったせいだ。


夫たちが
自分を超えた偉大な力を信じ
自分を超えた偉大な力に
意志と生き方をゆだねる生き方を
取り入れているように
私たちにも
そうする事が必要な事が分ってきた。


怖れ
心配
傷心
などが消えていく事は
何と素晴らしい事だろう。
あなたにもぜひ
私たちのプログラムをやってみてほしい。
夫への態度をおおもとから変える事ほど
彼の助けになる事はないからだ。


夫が
飲む事をやめたからといって
すべての問題がいっぺんに片づいたわけではない。
種子は新しい土壌に芽を出したが
まだ成長は始まったばかりだ。
新しく見つけた幸せのなかにも
浮き沈みはある。
以前からの多くの問題が
まだ山積みになっているだろう。


あなたが思わぬところでぶつかる壁は
いらいら
傷ついた感情
恨みなどだろう。


恨みは
アルコホーリクにとっては
致命的に危険である事を
決して忘れてはいけない。


恨みをつのらせ
批判的になって
争うような事が無いように
慎重になろうという事だ。


あなたの夫は
飲まない生き方以外にも
あなたから多くの恩恵を受けている事を理解している。
あなたに埋め合わせをしたいと思っている。
とはいえ
あなたは
あまり多くを期待してはいけない。
彼の考え方や行動は
長年の間に身についてきたものだ。
辛抱
寛容
忍耐
思いやりと愛
これが合言葉だ。


私たちがよく抱きがちなもう一つの感情
それは
自分の愛と献身では
夫のアルコホリズムを治せなかったという
恨みの一種である。


自分が何年も悪戦苦闘してもできなかった事を
「自分を超えた偉大な力」が
成し遂げてしまうというのは
どうにも納得できない。


その時の私たちは
アルコホリズムが病気であり
それに対して
自分がまったく無力である事を忘れている。


もう一つの問題は
夫が他の人たち
特にアルコホーリクに関心を向ける事に
あなたが嫉妬を感じるかもしれない事だ。


けれども彼は
彼自身の飲まない生き方を続けるためには
アルコホーリクの誰かと
いつもかかわっていなければならない。


あなたも
彼の新しいアルコホーリクの仲間の妻たちに
関心を向けていくように提案したい。
彼女たちも
あなたのような経験をしてきた女性からの助言と
愛情を必要としているのだから。


夫と同じように
あなたも
どれだけのものを人生からもらうかではなくて
どれだけものもを人生に与えられるかを
考えるべきだ。
そうする事で
当然あなたの人生はずっと満ち足りたものになるだろう。


私たちは
アルコールの誘惑から夫を守るために
あれこれと
彼の生活を取り仕切るような事は
決して
絶対にしない。


何をするのも自由なのだと
彼は
感じ取らなくてはならない。
これは大切な事だ。


彼が酔っぱらっても
あなたは
自分を責める事はない。
神が彼の飲酒の問題を取り除いてくださったか
あるいはまだかは
神の仕事なのだ。


私たちが述べてきた事は全部
経験に基づいている。
非常につらい経験もあった。
私たちはそれを苦労して
学ばなくてはならなかった。
だから私たちは
あなたにこの事を理解して頂いて
不必要な苦労をしないでほしいと
願わずにはいられないのだ。


みなさんに
神の祝福がありますように!


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