アルコール依存症からの回復

アルコール依存症からの回復のステップ

ビッグブック~12の概念~

AAの12のステップは
個人の「回復」のための原理である。
12の伝統は
この共同体の「一体性」を守るものである。
「ワールド・サービスのための12の概念」は
1962年に
共同創始者ビル・Wによって著されたものであるが
関連する一群の原理を提供している。
それは
AAのサービス構成のさまざまな要素によるサービスが
その受け手に敏感に応え
確実に責任を果たせるようにするためのものである。
以下に掲げる概念の「短いかたち」は
1974年
ゼネラル・サービス評議会によって作成された。



1.AAのワールド・サービスのための最終的責任と究極の権威は
  常にわれわれの共同体全体の集合的良心に帰属すべきである。


アルコホーリクス・アノニマスは
逆三角形の構成と呼ばれている。


①グループ
②地区委員会
③地域集会
④評議会
⑤常任理事会、AAワールドサービス社、AAグレープバイン社


ワールドサービスのための最終責任と究極の権威は
グループに帰するものであり
常任理事会の常任理事や
ニューヨークのゼネラル・サービスオフィス(GSO)に
帰するものではない。


常任理事会の目的は
グループが自分たちではできないサービスを
遂行するためである。
同一標準の書籍、同一標準のAAの広報、全国的な雑誌の出版
他国へその国の言葉でメッセージを運ぶ事などがあげられる。


ビルもボブもいなくなった時
誰が常任理事会やオフィスにアドバイスを与えるのだろうか?
AAグループの良心の集積のなかに見いだされるべきだと
ビルは考えた。


現状推進派の常任理事やメンバーの強硬な抵抗にあうなか
評議会を招集するというビルのアイディアは
どうにか理解してもらう事ができた。


この考え方は伝統2に端を発している。
伝統2
私たちのグループの目的のための最高の権威はただ一つ
グループの良心のなかに自分を現される
愛の神である。
私たちのリーダーは奉仕を任されたしもべであって
支配はしない。


ワールドサービスのための最終責任と究極の権威は
AAグループにあるべきであり
そのリーダーは責任を託された限りで
信任を受けるものである。


AAの逆三角形の構成は
充分は啓発、充分な責任
そして人と神との充分な愛に特徴づけられた霊的な社会であり
私たちのワールドサービスの民主主義が機能していく事を
保証するものである。



2.AAの評議会は
  ほぼ実際上
  その世界的なことがらにおいて
  共同体全体の積極的な声であり事実上の良心となっている。


1955年にAAグループが
自分たちの評議会のための恒久的な憲章を承認した時
彼らはそれによって
私たちのワールドサービスを実際に維持していく完全な権威を
評議会に託し
また
評議会をもって
私たちの共同体全体の実際の声であり
事実上の良心であると見なす事にしたのである。


ワールドサービスのための最終責任と究極の権威は
グループに帰するものであるが(概念1)
AAのサービス業務はどのように運営されていくのか?
しかし
グループが
いま苦しんでいるアルコホーリクにメッセージを運ぶ(伝統5)
という第一の目的を実践していくべきだとしたら
グループのリーダーシップの役割を評議会に託さなければならない。
①各グループは代議員をを選出する
②代議員は地域集会を定期的に開催する
③評議員を選出する
④評議員は
 常任理事会常任理事、GSO・グレープバイン社のスタッフ
 その他サービス業務従事者と共に評議会を開催する。


このようにして
AAの評議会は
世界的な諸事における
私たちの共同体全体の実際の声であり
事実上の良心となるのである。



3.効果的なリーダーシップを確保するため
  AAの各構成要素
  つまり
  評議会、常任理事会とそのサービス法人、スタッフ
  委員会、法人の管理責任者には
  伝統的な「決定権」が与えられるべきである。


グループ、評議会、常任理事会とそのサービス法人、スタッフ
委員会、法人の管理責任者等の
それぞれの関係についての実用的で明確な定義を作り
それを維持し
それによって彼らの効果的なリーダーシップを確保するため
その伝統的な手段として
これらワールドサービスの構成要素それぞれに
伝統的「決定権」を与える事が
ここに提案されている。


AAサービスマニュアルに掲載されている
評議会憲章及び常任理事会準則で特に指示がない限りは
あらゆるレベルのサービス構成はすべて
発生する個々の問題や状況に
みずからの権限と責任をどう解釈し
どう適用するのかを決める権利をもつ。


ビルは
決定権の行使を
実際にとった行動についてきちんと報告する事を怠ったり
明確に定義された権限を越えたり
また
重大な決定をする前に相談すべき人々に相談しなかったりする
言い訳に利用しないよう警鐘を鳴らしている。
とはいえ
彼は
このように結論づけている。
私たちのAAプログラムは
全面的に相互信頼という原理に基礎を置いている。
私たちは
神を信じ、AAを信じ、仲間を信じ
そしてお互いを信じている。


評議会はAAの諸事を管理する権限を
常任理事会に託している。



4.すべての責任あるレベルにおいては
  それぞれが果たすべき責任に見合った割合で
  投票権のある代表権が認められ
  伝統的な「参加権」が保証されるべきである。


評議会の構成全体を通じて
そのすべての責任あるレベルで
私たちは伝統的な「参加権」を保証しなければならない。
*参加権:議決権はないが自由に参加できる
そのため
サービス構成のしもべである各機関やグループは
それぞれが果たすべき責任に見合った割合で
議決権を認められるべきである。


評議会において
議決権をもつメンバーとは
評議員だけでなく
常任理事
AAワールドサービス社(GSO)と
AAグレープバイン社のスタッフも含まれる。


同様に
AAワールドサービス社(GSO)と
AAグレープバイン社の理事会の議決権者には
常任理事だけでなく
理事、有給の責任者、スタッフも含まれる。


ビルは
新しい評議員や常任理事の参加権を希薄にさせたり
修正または放棄が予測される事に
警鐘を鳴らしている。
評議員が評議会での議決権を
常任理事、理事、スタッフから取り上げようとした論争を
ビルは引き合いにだしている。
その権利を減らそうというような動きを見るにつけ
伝統的な参加権を守る事は極めて重大である
と彼は続けている。


結局
参加権には霊的な理由がある。
私たちは全員が帰属意識をもつ。
AAには二流のメンバーという仲間はいない。
参加権とは
他のメンバーに対して
究極の権威になるメンバーはいないという
伝統2の意味を裏づけるものである。


伝統2
私たちのグループの目的のための最高の権威はただ一つ
グループの良心のなかに自分を現される
愛の神である。
私たちのリーダーは奉仕を任されたしもべであって
支配はしない。


私たちが帰属感を確かな手ごたえをもって感じられ
本当に伝統2に述べられた
リーダーが「奉仕を任されたしもべ」である事が
参加権によって確信できた時
私たちは自分たちのサービス活動を
一層充実させる事ができるのである。


私たちの評議会構成のどの部分であろうとも
絶対的な権威が生じることに
断固として抵抗するものである。


概念12
評議会遵守事項3
評議会のだれひとりとして
他のメンバーに対して
絶対的な権威の地位に着くことはない



5.われわれの構成全体を通じて
  少数意見が聴かれ
  個人的苦情が慎重に考慮されるよう
  伝統的な「アピール権」が行き渡っていなければならない。


ワールドサービスの構成全体を通じて
伝統的な「アピール権」が行き渡っていなければならない。  
それによって
少数意見が聴かれ
個人的苦情の救済の訴えも慎重に考慮される事が
私たちに保証されている。


このアピール権は
少数派が応々にして正しい場合があるという認識に立っている。
特に
最重要課題については
少数派はその見解を述べる事が事実上「義務」なのである。
たとえ
少数派が間違っていたとしても
最重要課題について
さらに徹底的な討論を強いる事になるため
非常に重要な役割を果たす事ができる。


概念5は
多数派の暴走についても警鐘を鳴らし
AAにおいては
単なる過半数が決議の際の充分な基盤とはなり得ない事も
指摘している。


アピール権によって
サービス構成の中にいる仲間が
有給かボランティアかにかかわりなく
個人的な不満に対する請願ができるようになっている。
その仲間は
常任理事会に対して直接不平を申し立てる事ができる。
その際
不利益を被る事もなく
報復の不安をもつ必要もない。


概念12
評議会遵守事項4
重要な決定はすべて、討論と投票とによって
できる限り事実上の満場一致に至るようにしなければならない。



6.ワールド・サービスの事柄の
  ほとんどにおける主な主導権や実際の責任は
  常任理事会として活動する評議会の
  常任理事メンバーによって遂行されるべきことを
  評議会は認識している。


AA全体に代わって評議会が
ワールドサービスの維持について第一の責任をもち
また伝統的に
全体方針や財政の大きな事柄について
最終的な決定をする。
しかしまた評議会は
これらの事柄のほとんどにおける主導権と
実際の責任は基本的に
アルコホーリクス・アノニマスの常任理事で活動する
評議会の常任理事メンバーによって遂行されるべき事を
認識している。


概念1
AAのサービス活動に対する最終責任と
究極の権威はAAグループにある。


概念2
この責任を遂行するためには
グループは代議員を通して
評議会に託さなければならない。


概念6は
評議会は常任理事会に管理上の権限を
託さなければならない。


常任理事会は
AAワールドサービス社(GSO及び出版を含む)
及び
AAグレープバイン社の運営に対し
法的にも実質的にも責任を負っている。
常任理事会は
AAの広報活動に対しても責任をもつ。
12の伝統の守護者でもある。


AAメンバーが目指すものは
常に霊的なものであるが
それでもなお
私たちのワールドサービスは
大規模なビジネス業務であると
ビルは指摘している。


実際
私たちのサービス構成全体は
大企業のそれに似通っている。


AAグループ:株主
代議員・評議員:株主の委任状保持者
常任理事会:持ち株会社の役員
常任理事会が事実上
2つの子会社
AAワールドサービス社とAAグレープバイン社を
所有し監督する。
この2社がサービスを実行している。


AAの常任理事会が
アルコホーリクス・アノニマスの諸事を
管理していくものであるなら
主な主導権や実際の責任が
評議会から常任理事会に託されて
しかるべきであろう。



7.常任理事会の憲章および準則は法的文書であり
  それによって常任理事は
  ワールド・サービスに関することを管理し
  執行する権利を与えられている。
  評議会憲章は法的文書ではない。
  その最終的効力は
  伝統とAAメンバーの資力にかかっている。


常任理事会の憲章および準則は法的文書であるとの認識を
評議会はもっている。
それによって常任理事は
アルコホーリクス・アノニマスの
ワールド・サービスに関する一切の諸事を管理し
執行する全権を与えられている。
さらに
評議会憲章それ自体は法的文書ではないこと
むしろその最終的効力は
伝統の力とAAメンバーの資力にかかっている事が
理解されている。


概念7では
評議会と常任理事会の関連性と
それら2つ権限のバランスを明確にしようとしている。


常任理事会には
AAの資産とサービスに対して
全面的な法的権力が認められている。


評議会には
常任理事会の法的権利にも勝る
偉大な影響力と財政力が付加されている。
評議会は単なる諮問機関であるものの
実際には
必要とするあらゆる最終的権限をもっている。


評議会は勧告をする。
その勧告は
常任理事会に対して命令の力をもつ。
常任理事会はこれらの勧告を実施するが
評議会の勧告を拒否する法的権限ももっている。
しかし
常任理事は
あらゆる事情を考慮して「Yes」と言った方が
はるかに賢明である時には
「No」という法的権利の行使を慎む。


評議会が
常任理事会の実際的権利、任務、責任及び法的立場を
常に念頭に置いていれば
そして
常任理事が
評議会はサービスの最終権威の宿る場所である事を
常に認識していれば
お互いに
相手に無理やり承認させようなどとはしないだろう。
このようにして
難しい問題でも必ず解決する。
バランスの良い協力関係こそが全般的なルールになる。



8.常任理事は全体的方針と財政についての
  主要な企画立案者であり、管理者である。
  彼らはそれぞれ分離して法人化され
  絶え問なく活動を続けるサービス構成の
  後見的監督であり
  これらの法人のすべての理事を選任する権限を
  通してこれを実行している。


常任理事会の常任理事には
大きく分けて2つの権限が与えられている。


①全体的方針と財政の比較的大きな事柄に関して
 彼らは主要な企画立案者であり、管理者である。
 彼らと直属の委員会が
 これらの諸事を直接執行する。


②分離して法人化され
 絶え問なく活動を続けるサービス機関について
 常任理事は
 サービス構成財産の所有者であり
 後見的監督という立場をとらなければならない。
 常任理事は
 サービス法人の理事を選任する権限を通して
 後見的監督を実行している。


経験によれば
常任理事会は
方針、財務、グループ間の関係、リーダーシップなどの
計画、管理、実行に
専念し対処してゆかなければならない。
ゆえに
常任理事会は
運営機関である
AAワールドサービス社(GSO)、AAグレープバイン社の
日常業務、出版業務などに縛られず
サービス機関に対して後見的監督の権限をもつものの
これらのサービス機関を運営するのに必要な権限は
これらの法人の理事に託すべきである。
各サービス法人はそれぞれ独自の
準則、運営資金、役員、雇用者、オフィスと什器備品を
もたなければならない。


ビルは
初期の頃の常任理事会が
サービス業務を直接運営しようとした時の
過ちを引き合いにだして
金銭と権力が集中しすぎる事に対し
繰返し警鐘を鳴らしている。



9.良いサービス・リーダーは
  われわれの将来の機能と安全のために
  すべてのレベルで欠くべからざるものである。
  かつてAAの創始者たちによって実践された
  最初のワールド・サービスのリーダーシップは
  アルコホーリクス・アノニマスの常任理事によって
  必ず引き継がれなければならない。


良いサービス・リーダーは
彼らを選出する健全で適切な方法とともに
私たちの将来の機能と安全のために
全てのレベルで欠くべからざるものである。
かつてAAの創始者たちによって実践された
最初のワールド・サービスのリーダーシップは
アルコホーリクス・アノニマスの常任理事によって
必ず引き継がれなければならない。


リーダーシップが立派でも
サービス構成が貧弱ではうまく機能できない。
リーダーシップが貧弱では
たとえサービス構成が充実していてもまったく機能できない。


リーダーシップの源およびサービス構成の基盤は
グループの代議員である。
代議員はグループのサービスリーダーであり
グループとAA全体をつなぐ
欠く事のできないパイプ役でもある。
同時に代議員は
グループを代表するAAの良心であり
地元の地域で
地域委員会メンバーを
そして
最終的には評議員を
さらには常任理事地域候補者を選出する。
地域に集まる代議員には
配慮と献身が求められている。


どのような社会でも
あらゆるレベルでの有能なリーダーシップなしで
うまく機能できる事はなく
AAもその例外ではない。


AAのサービスリーダーは


他の人たちが思わずバックアップしたくなり
その仕事を助けたいという気持ちになるような人だと言える。


自分の考えよりももっと良いと思われる提案が
他から出された時には耳を傾ける。


決して責任を転嫁しない。


明確に定義された権限と責任の範囲内で
全体的な支持が充分に得られると確信したら
自由に決定し、直ちに行動に移していく。


問題の解決方法が見つかるまでは
断固として自分の信念を貫く必要があるが
しかるべき妥協によって正しいと思われる方向に
状況が生み出されるなら
いつでも喜んで妥協できる能力が必要である。


私たちのリーダーは
命令によって動かそうとしない。
彼らは
命令をするのではなく
見本を示して導いてくれる。


伝統2
私たちのリーダーは奉仕を任されたしもべであって
支配はしない。



10.すべてのサービスの責任には
   それに見合った同等の権限が伴わなければならない。
   その権限の範囲は
   常によく定義されていなければならない。


すべてのサービスの責任には
同等の権限が伴わなければならない。
その権限の範囲は
伝統、決議、職務内容、該当する憲章と準則の
いずれによるものであろうと
常によく定義されていなければならない。


私たちのサービス構成は
全てのレベルにおける運営の責任が
それを履行するための相応の権限と
つり合いが取れていない限り
効果的に調和をもって機能する事はできない。
この事は
どのレベルでも権限が託されるべきである事
そして
どのサービス機関でも
その責任と権限が明確に定義され
理解される事を要求している。


概念1
最終的責任と究極の権威はAAグループにある


概念2
AAグループはこの権限を評議員に託している


概念3
評議会はAAの諸事を管理する権限を
常任理事会に託している。


概念8
常任理事会は
運営機関である
AAワールドサービス社(GSO)、AAグレープバイン社
に対して後見的監督の権限をもつものの
これらのサービス機関を運営するために必要な権限は
これらの法人の理事に託している。


サービス機関の理事は
これらの法人の管理責任者に対して権限をもつ立場にあるが
それらの管理責任を遂行するために必要な権限を
職員の管理責任者に託している。
そして最終的に
職員の管理責任者は
これら重要なサービス業務を遂行するために必要な権限を
AAワールドサービス社(GSO)、AAグレープバイン社
のスタッフに託している。


託した権限がうまく機能しているのなら
いちいち干渉すべきでない事ははっきりしている。
さもないと
運営権限を託された人は
志気がくじかれるだろう。


常任理事会は
AAワールドサービス社、AAグレープバイン社を
所有しており
それらの法人に対する権限は絶対的なものである。
しかし
物事がうまくいっている限り
常任理事がこれらの法人の運営権限を侵害したり
必要以上に干渉したりするのを慎む事は
極めて重要である。


任された「しもべ」にも全員に
その日の業務を行い
その明確な責務を遂行するために
はっきり決められたそれなりの権限がある。



11.常任理事には
   できるだけ優れた委員会、サービス法人の理事
   管理責任者、スタッフ、コンサルタントが
   常に必要である。
   構成、資格、任命方法
   そして権利と義務の問題には
   常に重大な関心を払う必要がある。


常任理事は
AAワールドサービスの執行の最高責任を負っているから
いつも
できるだけ優れた常任委員会、サービス法人の理事
管理責任者、スタッフ、コンサルタントの援助を必要とする。
だからこそ
これらの重要なな委員会や常任理事会の構成
メンバー一人ひとりの適格性
彼らを任命する方法
彼らの輪番制のシステム
お互いの関係のあり方
管理責任者、スタッフ、コンサルタントの権利と義務
これらの職員への適切な給与の基準などに
いつも慎重な配慮と関心を要する。


常任委員会、サービス法人の理事
管理責任者、スタッフ、コンサルタントは
常任理事のリーダーシップを支援するばかりでなく
常任理事と共にリーダーシップを分かち合っている。


AAワールドサービス社とAAグレープバイン社に
適用されるいくつかの原理は下記の通りである。


①管理責任者の地位
 継続的で適切な執行の指示がなければ
 サービスは効果的に機能しない。
 また
 サービス業務を充分に進められるだけの
 自由と権限をもつべきであり
 その仕事がうまく運んでいる限り
 何者からも干渉を受けるべきではない。


②有給職員の報酬
 有給の管理責任者、スタッフ、コンサルタントには
 能力に応じて
 適切な報酬が支払われるべきである。
 サービスにあてられる献金があるのであれば
 私たちのために仕事をしてくれる人たちには
 適切な報酬を支払うべきである。


③有給職員の輪番制
 AAゼネラルサービスオフィスでは
 スタッフのほとんど全員が
 2年ごとに変わる。


④有給職員の参加権(概念4)
 評議会において
 議決権をもつメンバーとは
 評議員だけでなく
 常任理事
 AAワールドサービス社(GSO)と
 AAグレープバイン社のスタッフも含まれる。
 同様に
 AAワールドサービス社(GSO)と
 AAグレープバイン社の理事会の議決権者には
 常任理事だけでなく
 理事、有給の責任者、スタッフも含まれる。



12.評議会は
   危険な富と権力の座に決してなることはなく
   財政原則は
   十分な運営基金と準備金とをもった慎重なものとし
   評議会のだれひとりとして
   他のメンバーに対して
   絶対的な権威の地位に着くことはなく
   その重要な決定はすべて、討論と投票とによって
   できる限り事実上の満場一致に至るようにし
   その決議はいずれも個人を罰するものであったり
   公の論争を引き起こすものではなく
   政府の役をするどのような行為もなく
   評議会が奉仕するこの共同体と同様に
   その思想と行動において
   常に民主的であり続けるということに留意して
   AAの伝統の精神を必ず順守すべきものである。


概念12は
評議会の全般的遵守事項からなる。
これは不変なものである。
評議会が
常に維持していかなければならない賢明さと霊性の質が
これらの遵守事項で問われているからである。
評議会が
アルコホーリクス・アノニマスの運動を
忠実に守れるように保つ永遠の絆だからである。
これらの遵守事項は
あらゆるAAサービス構成にあてはめられる
霊的原理をも表している。


評議会の全般的遵守事項


評議会はそのすべての行動において
AAの伝統的精神を遵守すべきである。
そのため
次の事項に深い配慮を払う事が必要である。


遵守事項1
評議会は決して危険な富と権力の座に
なってはならない。


伝統7によって
私たちは
過剰な金銭の蓄積をしない。
また
各メンバーからの献金の上限を定めている。


伝統7
すべてのAAグループは
外部からの寄付を辞退して
完全に自立すべきである。
財産、金銭、権威をめぐっての無益な論争ほど
私たちの霊的遺産を確実に破壊するものはないことを
経験がしばしば戒めているからだ。


遵守事項2
財政原則は
運営していくのに充分な基金と
併せてゆとりある準備金とをもった
慎重なものでなければならない。


準備金としては
GSOとAAグレープバイン社の
1年間の運営資金に相当する額が必要である。
準備金のほぼ全額は
AA出版物の売上収入でまかなわれている。
また
グループからの献金高と
グループへのサービスにかかる費用との不足分も
AA出版物の売上収入によって補われる。


伝統7
慎重に設定された予備金の範囲を越えて
明らかな目的もないままに蓄積されるAAの資金にも
私たちは大きな懸念を抱いている。


遵守事項3
評議会のメンバーは
だれひとりとして
他のどのメンバーに対しても
絶対的な権威の地位に就くべきではない。


概念4
評議会の構成全体を通じて
そのすべての責任あるレベルで
私たちは伝統的な「参加権」を保証しなければならない。
そのため
サービス構成のしもべである各機関やグループは
それぞれが果たすべき責任に見合った割合で
議決権を認められるべきである。
私たちの評議会構成のどの部分であろうとも
絶対的な権威が生じることに
断固として抵抗するものである。


遵守事項4
重要な決定はすべて
討論と投票とによって
できる限り事実上の満場一致によって
なされるべきである。


単純多数決という
早まった横暴な権威からの保護手段であり
もう一方では
その意見がどれほど少数であろうと
少数派によく見られる知恵と権利に
注意を払うという事である。
この原理は
重要事項はすべて
時間が許す限りにおいて
広範囲に及ぶ意見が交換される事
そして
そのような話し合いは
どのような重大な決定においても
できる限り満場一致に至るようになるまで
続けられることを保証している。


遵守事項5
評議会の決議は
いずれも個人を罰するものであったり
公の論争を引き起こすものであってはならない。


AAメンバーは
健全な霊的原理に従い損ねた時
アルコールに制裁を受ける。
人間による制裁システムなど必要ない。


公の論争は
それが自己防衛のためであっても
立ち入る事ができないし
立ち入るべきではない。
たとえ直ちに利益がある事が
約束されているように思えたとしても
公の論争ほど
AAが享受している一体性や
友人からの好意にダメージを与えるものはない。


遵守事項6
評議会は
アルコホーリクス・アノニマスのサービスを
代行する事はあっても
政府の役をするどのような行為も
決してしてはならない。


これらの注意を払う事によって評議会は
評議会が奉仕する
アルコホーリクス・アノニマスの共同体と同じように
その思想と行動において
常に民主的であり続けるであろう。


AAの伝統は
個人のメンバーおよびグループに対して
途方もない自由を与えている。


私たちは
AAの12のステップと12の伝統への
順応を選びとっていかなければならず
さもないと
死と崩壊に向き合う事になると
分かっているからである。


評議会に対して
神のもとのAAの自由を
いかなる方法であろうと奪い取ろうとするような
あらゆる権威的な振る舞いも
慎む事を要求しているのである。


私たちの評議会が
常に相互の尊敬と愛情の精神で活動する事を望んでいる。
そして
私たちの評議会が
神の祝福と恵みにより
自由の象徴であり続ける事を願っている。


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