アルコール依存症からの回復

アルコール依存症からの回復のステップ

12&12~伝統12~

アルコホーリクス・アノニマスの私たちは
無名であることには
霊的にはかり知れない重要性があると信じている。
それは個人よりも原理が優先されること
本物の謙虚が実践されなくてはならないことを
いつも私たちの心にとどめてくれる。
それは
私たちが受けた偉大な恵みに決して甘んじることなく
私たちすべての者を導く神への感謝の思いのうちに
永遠に生きるためである。


無名であることは
私たちの伝統全体の霊的な基盤である。
それは各個人よりも原理を優先すべきことを
つねに私たちに思い起こさせるものである。



無名であることは
AAの霊的な基盤となっている。
一人ひとりが無名にとどまることによって
AAの集まりを個人支配からまぬがれさせ
AAの回復・一体性・サービスの原理を
あくまでも優先させることを可能にする。


AAは
同等の立場の仲間の集まりである。
私たちは
AAの回復のプログラムを
多くの人に知ってもらおうと
力を尽くして努めているが
ここに参加する個人を知ってもらおうとはしない。
従って
新聞、雑誌、ラジオ、テレビ、映画など
マスコミや公の場でAAメンバー個人の名前を
だすことはない。
このようにして
メンバーのプライバシーは守られ
更には
個人として認められたいという
エゴに歯止めがかけられ
全員が平等であることが明確にされる。


AAに足を運んできた仲間の個人のプライバシーは
確実に守られるよう
私たちはお互いに最大の努力を払っている。
お互いのプライバシーを守る約束も
アノニミティの意味の一つであり
AAミーティングで一人ひとりが
自分の飲酒のトラブルにまつわる話ができるのも
そこで話された個人の秘密を
私たちは明かさないからである。
私たちは
そこで分かち合われた回復の話しだけを
自分のものにしている。


AAミーティングのなかでは
自分のフルネームを名乗ることも
連絡先を教えることも
一切明かさないことも
その仲間の自由である。
どこまで自分のプライバシーを明かすかは
自分で決められる。



12の伝統は私たちに対して
一時的な「善」や見せかけの「善」は
しばしば「最善」の最大の敵になることを示している。
一体性を守るためには
個人の欲望を手放すよう繰り返し求めているのである。


私たちが
AAで共に活動するために12の伝統に従う時
私たち全員が
謙虚さを得ようと努力しているのである。


無名であることは
謙虚さの実践であり
自分の回復や仲間の回復は
自分一人の手柄ではないことを
私たちに思い起こさせる。


伝統1
優先されなければならないのは
全体の福利である。
個人の回復はAAの一体性にかかっている。


自分一人の力で回復したのではないことを
そして
グループや共同体の一体性を守るためには
個人の欲望や野心を抑えなければならないことを
思い起こさせてくれる。


伝統2
私たちのグループの目的のための最高の権威はただ一つ
グループの良心のなかに自分を現される、愛の神である。
私たちのリーダーは奉仕を任されたしもべであって
支配はしない。


AAのなかで
どのような役割を与えられたとしても
権威や名声を与えられたわけではない。


伝統3
AAのメンバーになるために必要なことはただ一つ
飲酒をやめたいという願いだけである。


私たちは共に集う
単なるアルコホーリクであり
グループは
私たちが与えられた手助けと
同じものを求めてやってくるアルコホーリクの資格を
決められる立場にはない。


伝統4
各グループの主体性は
他のグループまたはAA全体に影響を及ぼす事柄を除いて
尊重されるべきである。


グループにも謙虚さが必要である。
グループは共同体の一部であることを理解し
あらゆる計画を立てる際には
AAを構成するすべてのグループの福利を考えるよう
配慮すべきである。


伝統5
各グループの本来の目的はただ一つ
いま苦しんでいるアルコホーリクに
メッセージを運ぶことである。


私たちは
既存の団体の代表でもなければ
新興宗教でもない。
人類を救済するための伝道者でも指導者でもない。
私たちは
いま苦しんでいるアルコホーリクの
手助けをしようとしている
無名のアルコホーリクにすぎない。


伝統6
AAグループはどのような関連施設や外部の事業にも
その活動を支持したり、資金を提供したり
AAの名前を貸したりすべきではない。
金銭や財産、名声によって
私たちが
AAの本来の目的から
外れてしまわないようにするためである。


伝統7
すべてのAAグループは
外部からの寄付を辞退して、完全に自立すべきである。


アルコホリズムからの回復に立ち上がったからといって
思い上がり、そのあげく
権威や評判、寄付にあずかろうと
他の機関と私たちの共同体を結びつけるような
行動を取るべきではない。
AAの本来の目的に私たちの努力を集中すべきである。


伝統8
アルコホーリクス・アノニマスは
あくまでも職業化されずアマチュアでなければならない。
ただ
サービスセンターのようなところでは
専従の職員を雇うことができる。


メッセージを運ぶ時
こんなに価値のある行動を無給で行っている自分を
高貴であるなどと思い込んではならない。
12番目のステップ活動は金銭で計れるものではない。
私たちは
金銭よりもはるかに価値のある命を
既に与えられたのだから。


また
サービスセンターの職員に
ふさわしい賃金を支払うことで
私たちが謙虚さを保っていくようにとも提案している。
私たちは自分たちの献金で自立しているのだから
働く人の厚意に甘えてもいいなどという
考え方はしないようにしたい。


伝統9
AAそのものは決して組織化されるべきではない。
だが
グループやメンバーに対して直接責任を担う
サービス機関や委員会を設けることはできる。


サービス機関や委員会は権威や名声ではなく
奉仕の機会なのである。


伝統10
アルコホーリクス・アノニマスは
外部の問題に意見を持たない。
したがって
AAの名前は決して
公の論争では引き合いに出されない。


AAそのものの謙虚さを保つための歯止めである。
私たちに影響力があるかのような振る舞いを
戒めているのである。


伝統11
私たちの広報活動は
宣伝よりもひきつける魅力に基づくものであり
活字、電波、映像の分野では
私たちはつねに個人名を伏せる必要がある。


私たちは
「必ず回復できる唯一の方法」などと称して
大売出しの広告のように
AAプログラムを宣伝しようとは思わない。
AAメンバーである有名人の身元を明らかにして
ドラマチックに仕立て上げ、宣伝し
回復が個人の業績であるかのような
印象を与えることもしない。


伝統12
無名であることは
私たちの伝統全体の霊的な基盤である。
それは各個人よりも原理を優先すべきことを
つねに私たちに思い起こさせるものである。


優先すべきはAAの原理であるが
この原理は私たちが発明したのではない。
人、場所、時間
すべてが不思議なタイミングで結びつき
神の恵みによって授かったのである。


個人としても共同体としても
私たちは12の伝統に従い
自分たちを超えた偉大な力にゆだねていることを
謙虚に認めているのである。



AAメンバーはどこまで無名であるべきか?
これが私たちに真っ向から問いかけられた課題だった。
秘密結社になってはいけないことは
成長と共に明らかになった。
だからといって
用もないのにあちこちクビを突っ込んで
歩いてはいけないことも明白だった。


私たちは
家族、主治医、友人、同僚や上司にも
AAでの新しい生き方を説明したくなる。
そして
ゆっくりと自分のことを打ち明けてゆくことで
アルコホーリクに対する偏見への怖れが
自分のなかからだんだん消え
自分の街にもAAがあるという情報を
広めていけるようになる。


しかし
口伝えの方法では限界があることも明らかになった。
私たちの活動そのものは
一般の人たちに広く知らせる必要があった。
AAグループは
できるだけたくさんの絶望的なアルコホーリクに
手を差し伸べなくてはならなかった。
そこで
多くのグループが
関心をもってくれる知り合いや
一般の人たちも参加できる
オープン・ミーティングを始めた。
やがて
医療施設や市民団体から
AAグループに話しに来てほしいという要望が
くるようになった。


AAが注目されるようになると
新聞、雑誌、ラジオ、テレビ、映画などで
取り上げられるようになった。


私たちは
勝手に名乗りをあげたメンバーが世間を相手に
AAを代表する救世主の役割を演じることに
運を任せる気にはなれなかった。


もし一人でも大っぴらに酔っぱらったなら
また
AAの名前を自分勝手な目的に利用しようという
誘惑に駆られでもしたら
AAは
修復不能なダメージを被るだろう。


新聞、雑誌、ラジオ、テレビ、映画といった
公のレベルでは
無名であることが
しかも100%無名にとどまることが
唯一の解答だった。
公のレベルでは例外なく
個人よりも原理を優先させなければならなかった。


これらの経験により
無名であることは真の謙虚の実践だということが
教えられた。
それは今日
AAの生き方の基調をなす
あらゆる面に浸透した霊的な特性である。


無名であることの精神に心を動かされた私たちは
仲間のアルコホーリクのなかでも
一般の人たちの前でも
自分を目立たせたいという欲求を
AAメンバーとしては放棄しようと努力している。
これらのまさに人間的な欲求を脇に置くことによって
私たち一人ひとりがこの集まり全体を守ってくれる
マントを織り上げる一翼を担い
そしてそのマントのなかで
共に成長し
共に活動していけるのだということを信じている。


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